聞き書 宮崎の食事 宮崎平野の食より
そば粉のみを水でこねる。こねてこねてそばの粘りがでるまで頑張る。学校から帰った子どもにも力いっぱいこねるよう言いつける。それをのし板にのばしてせんに切り、ゆで湯でさっとゆがく。竹で編んだそばすくいでざるにとり上げて水をきる。
いりこだしに醤油を加え、煮たててかけ汁をつくる。一人分ずつてぼ(そばをゆでる用具)にそばを入れて熱湯をくぐらせ、熱いそばの上に、ねぶかを添えて汁をかけて食べる。かまぼこ、油揚げなどの具をのせると、そば切りとしてはごちそうになる。
年越しそばを「運そば」といい、大みそかの行事食として必ず食べる。
出典:田中熊雄 他編. 日本の食生活全集 45巻『聞き書 宮崎の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.183-183