そば切り

連載日本の食生活全集

2022年12月31日

聞き書  宮崎の食事 宮崎平野の食より


そば粉のみを水でこねる。こねてこねてそばの粘りがでるまで頑張る。学校から帰った子どもにも力いっぱいこねるよう言いつける。それをのし板にのばしてせんに切り、ゆで湯でさっとゆがく。竹で編んだそばすくいでざるにとり上げて水をきる。
いりこだしに醤油を加え、煮たててかけ汁をつくる。一人分ずつてぼ(そばをゆでる用具)にそばを入れて熱湯をくぐらせ、熱いそばの上に、ねぶかを添えて汁をかけて食べる。かまぼこ、油揚げなどの具をのせると、そば切りとしてはごちそうになる。
年越しそばを「運そば」といい、大みそかの行事食として必ず食べる。

 

出典:田中熊雄 他編. 日本の食生活全集 45巻『聞き書 宮崎の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.183-183

関連書籍詳細

日本の食生活全集45『聞き書 宮崎の食事』

田中熊雄 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540901010
発行日:1991/3
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

伝説に彩られた山深き里、古来「日向の国」と呼ばれた太陽の国・宮崎。焼き畑の村に、陽光そそぐ平野に、霧島のぞむシラスの台地に、黒磯洗う浜に、なつかしい食と暮らしをたずねた南国の食の記録。
田舎の本屋で購入

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