かしわもち

連載日本の食生活全集

2023年05月05日

聞き書 兵庫の食事 丹波の食より


米粉を湯でこねてせいろで蒸す。蒸しあがったら、臼に入れて搗き、一口くらいにちぎって丸く平たくのばし、あんを入れ、かしわの葉で包んでもう一度蒸す。米粉によもぎを入れたものもつくる。
奥山家では、蒸した米粉のもちをのばすとき、大工をしているおじいさんがつくってくれた小道具を使う。一口にちぎったもちを、ぬらした竹の皮の間にはさみ、これを木の台に置いて、台にとりつけてある木の板でぎゅっと押さえるしくみになっている。これを使うと、形よいもちに手早くのばせ、おじいさんの自慢である。

写真:かしわもちづくり
おじいさんが工夫した道具を使って、米粉のもちをのす。

 

出典:和田邦平 他編. 日本の食生活全集 28巻『聞き書 兵庫の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.267-268

関連書籍詳細

日本の食生活全集28『聞き書 兵庫の食事』

和田邦平 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540910067
発行日:1992/3
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

摂津、丹波、但馬、播磨、……瀬戸内から日本海にまでいたる多彩な風土と独自の食文化、さらに国際都市神戸のハイカラ料理、淀川長治氏が語る神戸モダンボーイの食事も紹介。
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