田植えには欠かせない、たけのこ汁と小豆煮――晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2023年05月15日

聞き書 山形の食事 庄内山間の食より


五月五日のしょうぶの節句には、しょうぶとよもぎを屋根や軒下にさし、鍬や農具にもつけて一日仕事を休む。この日は、なた巻き、きんちゃく巻きをつくる。三角巻きをつくる家もある。もち米を笹の葉で巻いて炭灰のあく汁で煮ると、黄色いこんにゃくのようなもちになる。三角巻きはあくまき、笹巻きともいう。
しょうぶの節句が終わると田植えである。田植えはじめには、のだての祭りをする。枡にほおの葉を敷いてきな粉飯を盛り、ほおの葉に包んだあられ、酒と一緒に大黒えびすさまに供える。

写真:のだての供えもの
ほおの葉で包んだあられ、きな粉飯、どぶろく

 

出典:木村正太郎 他編. 日本の食生活全集 6巻『聞き書 山形の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.266-267

関連書籍詳細

日本の食生活全集6『聞き書 山形の食事』

木村正太郎 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540880445
発行日:1988/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁


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