聞き書 島根の食事 隠岐の島の食より
一か月遅れの六月五日の端午の節句に欠かせないのがまきである。ところによって巻く材料が違う。笹の葉、かやといろいろであるが、久見地区ではかやで巻くので、「かや巻き」という。
もち米をひいただんごの粉をこねて細長く丸め、一番中は笹の葉で包み、外のまわりをかやで包む。しゅろの葉を細くさいてしばる。一〇個一束にしてゆでる。きな粉や砂糖醤油をつけて食べる。固くなったら、食べるときにゆでなおすとよい。
写真:端午の節句のかたりまんじ(左)とかや巻き
出典:島田成矩 他編. 日本の食生活全集 32巻『聞き書 島根の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.291-292