聞き書 宮崎の食事 高千穂の食より
田植えが終わると、涼しい高千穂地方でも昼間は暑くなる。暑さのなか、豆、とうきび(とうもろこし)を播き、からいも、里芋畑の手入れが忙しくなる。換金作物の麻やたばこの手入れも忙しい。田の草取りは、一番、二番、三番草とつぎつぎに追いかけてくる。
日が長くなると朝早くから仕事をし、昼間は二時間くらい休み、夕方は日の入るまで働く。夏の仕事のがまだし(がんばり)が秋作のできぐあいにつながるからである。盆まではがむしゃらに働き、盆にはご先祖さまとゆっくりすごす。
写真:夏の夕飯
上:野菜のてんぷら、きゅうりの酢あえ/下:麦飯、醤油汁
出典:田中熊雄 他編. 日本の食生活全集 45巻『聞き書 宮崎の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.23-24