暑い盛りは、麦飯にごま風味の冷や汁をかけて――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2023年07月05日

聞き書 埼玉の食事 入間台地の食より

麦刈りの合間をみて、梅の塩漬とらっきょうを漬けこむ。塩で漬けこんだ梅は、土用には天気のぐあいをみて色よく干しあげる。また、時を同じくしておなめをかく。暑い土用の時期にかきこむと、よく発酵して味がよくなるという。手間のかかる仕事だが、大事な保存食なので、毎年欠かさずにつくる。
夜――麦飯、冷や汁、昼の残りの煮つけ、なすの油味噌、ぬか漬
麦飯は新しく炊く。熱い麦飯に冷や汁をかけると食べやすく、おいしいので夜もつくる。じゃがいもといんげんの煮つけは、大なべにいっぱいつくるから残りを夜も食べる。たくさんとれるなすで油味噌をつくる。漬物もなすのぬか漬が多く、なすずくめのおかずが続く。

写真:夏の夜飯
上:じゃがいもといんげんの煮つけ、なすの油味噌。/下:麦飯、冷や汁

 

出典:深井隆一 他. 日本の食生活全集 11巻『聞き書 埼玉の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.119-120

関連書籍詳細

日本の食生活全集11『聞き書 埼玉の食事』

深井隆一 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540910050
発行日:1992/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

「あさまんじゅうに昼うどん」は物日におけるきまりもの。小麦、さつまいも、狭山茶、深谷ねぎ、岡部の大根など自慢の作物もいっぱい。街道のうまいもの、鋳物工場の給食まで収録。
田舎の本屋で購入

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