夏の食事はあっさりと涼しげに――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2023年06月27日

聞き書 愛知の食事 堀川端、清州越商家の食より

夏は野菜の種類が多い。きゅうり、なす、枝豆、いんげん、かぼちゃ、とうがんなど、毎日何かしら食卓にのぼる。とくになすは、煮てよし、焼いてよし、漬けてよしで、利用が多い。きゅうりもよく食べる。
昼――そうめん、きゅうりの酢もみ
とくに暑い日には、さっぱりと冷やそうめんやひやむぎで簡単な昼食となる。つけ汁はきぼしでだしをとり、たまりとほんの少しのざらめを入れてつくる。かなりからめの汁である。薬味には、ねぎ、しょうが、青しそ、ごまをとりそろえる。
豆腐があれば冷ややっこにする。豆腐は出入りの豆腐屋が持ってくるので、今日は何丁と女中頭が注文する。薬味はやはり、ねぎ、しょうが、青しそである。
きゅうりの酢もみもよくいただく。

写真:夏の昼食
冷やそうめん、つけ汁、薬味(ごま、しょうが、ねぎ)、きゅうりの酢もみ

 

出典:星永俊 他編. 日本の食生活全集 23巻『聞き書 愛知の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.54-55

関連書籍詳細

日本の食生活全集23『聞き書 愛知の食事』

星永俊 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540890031
発行日:1989/8
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

海、山、川、田畑の幸豊かな愛知、味噌のルーツ豆味噌を生かす味噌料理の数々。尾張藩時代からの伝統ある食べものと、江戸、上方の味覚がおりなす多彩な食。
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