聞き書 愛知の食事 堀川端、清州越商家の食より
夏は野菜の種類が多い。きゅうり、なす、枝豆、いんげん、かぼちゃ、とうがんなど、毎日何かしら食卓にのぼる。とくになすは、煮てよし、焼いてよし、漬けてよしで、利用が多い。きゅうりもよく食べる。
■昼――そうめん、きゅうりの酢もみ
とくに暑い日には、さっぱりと冷やそうめんやひやむぎで簡単な昼食となる。つけ汁はきぼしでだしをとり、たまりとほんの少しのざらめを入れてつくる。かなりからめの汁である。薬味には、ねぎ、しょうが、青しそ、ごまをとりそろえる。
豆腐があれば冷ややっこにする。豆腐は出入りの豆腐屋が持ってくるので、今日は何丁と女中頭が注文する。薬味はやはり、ねぎ、しょうが、青しそである。
きゅうりの酢もみもよくいただく。
写真:夏の昼食
冷やそうめん、つけ汁、薬味(ごま、しょうが、ねぎ)、きゅうりの酢もみ
出典:星永俊 他編. 日本の食生活全集 23巻『聞き書 愛知の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.54-55