聞き書 佐賀の食事 脊振山地の食より
夏の暑い盛りになると田んぼの稲もしっかり根づき、緑の色もいちだんときれいになる。そよそよと吹く風は疲れたからだをいやしてくれる。そのころ、田んぼの井手や水口にはどじょうが顔を出す。夏は暑さに負けないように、川魚や薬草の飲みものなどを多くとる。
■晩飯――茶がゆ、どじょう汁、きゅうりの塩漬
近くの小川でどじょうをとり、ごんぼや大根を入れて、よくどじょう汁をつくる。
山や家のまわりのげんのしょうこ、どくだみ、せんふり(せんぶり)などをとってきて日陰干しにし、それを煎じて飲んだり、あせもなどの薬にする。
写真:夏の晩飯
茶がゆ、どじょう汁、きゅうりの塩漬
出典:原田角郎 他編. 日本の食生活全集 41巻『聞き書 佐賀の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.112-113