聞き書 富山の食事 砺波散居村の食より
■昼飯――いもおはぎ、こんかいわし、ごんぼのぼんぼこ汁、べんけおろし、大根としゃくしなの切漬
田んぼから帰ると、姑さんが里芋の皮をむいてゆでて待っている。いもおはぎをつくるのである。冷たいごはんにゆでた里芋をごはんより多く入れて、すりこぎでつぶす。食べやすい大きさにちぎって丸め、きな粉か小豆あんをまぶす。このときのおつけは、ごんぼだけを浮かせた、あっさりした味噌汁にする。これをぼんぼこ汁と呼んでいる。
こんかいわしは、いわしがたくさんとれて値段が安いときにつくる。塩と米ぬかを合わせた中に漬けて、重石をきかせて保存する。べんけおろし(大根おろし)を添えて食べる。
写真:秋の昼飯
いもおはぎ、ごんぼのぼんぼこ汁、こんかいわし、大根としゃくしなの切漬、べんけおろし
出典:堀田良 他編. 日本の食生活全集 16巻『聞き書 富山の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.33-35