里芋や大根を豊富に使った食事で働く――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2023年09月11日

聞き書 富山食事 砺波散居村の食より

昼飯――いもおはぎ、こんかいわし、ごんぼのぼんぼこ汁、べんけおろし、大根としゃくしなの切漬
田んぼから帰ると、姑さんが里芋の皮をむいてゆでて待っている。いもおはぎをつくるのである。冷たいごはんにゆでた里芋をごはんより多く入れて、すりこぎでつぶす。食べやすい大きさにちぎって丸め、きな粉か小豆あんをまぶす。このときのおつけは、ごんぼだけを浮かせた、あっさりした味噌汁にする。これをぼんぼこ汁と呼んでいる。
こんかいわしは、いわしがたくさんとれて値段が安いときにつくる。塩と米ぬかを合わせた中に漬けて、重石をきかせて保存する。べんけおろし(大根おろし)を添えて食べる。

写真:秋の昼飯
いもおはぎ、ごんぼのぼんぼこ汁、こんかいわし、大根としゃくしなの切漬、べんけおろし

 

出典:堀田良 他編. 日本の食生活全集 16巻『聞き書 富山の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.33-35

関連書籍詳細

日本の食生活全集16『聞き書 富山の食事』

堀田良 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540890048
発行日:1989/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 376頁

蜃気楼があらわれ、ほたるいかが群遊する富山湾は地元の人たちの魚溜め。立山から発する水が開いた平野は富山の人たちの米びつ。生きのいい魚と米と水がつくる富山の食。
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