聞き書 神奈川の食事 相模川流域の食より
■およめし(夕食)――麦飯、味噌汁、大根の太煮、焼いた塩ます、たくあん
麦飯と味噌汁は新しくつくる。
霜をかぶった大根はやわらかで甘くておいしい。大ぶりに切って、里芋と一緒にたっぷりの汁で煮て味噌で味をつける。里芋のねばりがうまみに加わり、寒い日にはなによりのごちそうである。大きななべで煮て堪能するまでおかわりする。残れば朝煮直して食べるが、味がしみて、これまたおいしい。
写真:冬のおよめし
上:大根の太煮、塩ます/中:たくあん/下:麦飯、味噌汁(切干し大根、ずいき、さつま)
出典:遠藤登 他編. 日本の食生活全集 14巻『聞き書 神奈川の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.178-180