自慢の漬物、酒っこに話の花が咲く――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2024年01月19日

聞き書 秋田食事 県北米代川流域の食より

昼――そばねり、塩漬はたはた
外仕事に忙しい間はできなかった家の中のこと、正月から春先に不自由しないための子どもたちや家族の晴れ着の準備やぼろからがき(野良着、寝具類、日常着のほころび修繕)、酒っこ(どぶろく)、甘酒、水あめ、納豆、豆腐、凍み豆腐、凍しもち、寒ざらし粉、凍み大根などの食べものづくりと、冬の女たちの仕事は多く、一日はあっという間にすぎる。
昼食はできるだけ手間ひまかけず、あり合わせのもので簡単にすませる。湯づけままにすることもあるが、そばきゃを食べることが多い。これは、そばを味噌すまし汁に入れて練り、わんにすくい入れたり、湯で練り、すましたれにつけるなど、熱いのをふうふう吹きながら口に運ぶ。おかずは塩漬はたはたの焼き魚、しがっこの張ったこがから手をまっ赤にしてとり出した一本漬を厚く切ったものや、ぶさぶさ切り目の入ったなた漬など。

写真:冬の昼食
大根の一本漬、はたはたの塩焼き、そばねり、たれ

 

出典: 藤田秀司 他編. 日本の食生活全集 5巻『聞き書 秋田の食事』. 農山漁村文化協会, 1986, p.226-230

関連書籍詳細

日本の食生活全集5『聞き書 秋田の食事』

藤田秀司 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540850660
発行日: 1986/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 386頁

ハタハタずし・しょっつる・いぶり大根・各種貝焼(カヤキ)鍋など、自然の要求と人間の要求が一致した発酵食文化の粋・秋田の食事を、農耕・漁労の営みと共に描く。
田舎の本屋で購入

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