聞き書 岐阜の食事 恵那平坦(東野)の食より
■山仕事の弁当――麦飯、おからの煮もの、身欠きにしんの煮つけ、いわしの丸干し、煮豆、だいこ漬、梅干し
山での焚き木づくりや植樹には、めんぱ(漆塗りの曲げもの)に弁当を詰めて行く。麦飯に梅干しをのせ、おかずは、おからやおかいこ切干し(大根切干し)などの煮つけ、身欠きにしんの煮つけ、煮豆、だいこ漬などを詰め、いわしの丸干しを持って行く。丸干しは、昼に焚き火をしながら焼いて食べる。心やさしい男衆は、家で待っている若妻や子どもにそっとおかずを残して持ち帰ることもある。
写真:めんぱに詰めた山仕事の弁当
麦飯と梅干し、いわしの丸干し、おからの煮もの、身欠きにしんの煮つけ、だいこ漬、煮豆(大豆、こんぶ)
出典: 森基子 他編. 日本の食生活全集 21巻『聞き書 岐阜の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.104-106