からだのぬくもる汁ものを中心に――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2024年01月11日

聞き書 大分食事 宇佐平野の食より

朝ごはんと山行きの弁当づくりに忙しい朝
おっかさんは早起きをして、麦飯、味噌汁を炊き、百本漬(たくあん)や白菜漬を用意する。麦飯は、米に押し麦を混ぜ、毎朝一升の飯を鉄なべで薪を使ってくど(かまど)で炊く。味噌汁の実には大根、里芋、菜っぱ、ねぎ、揚げなどを入れる。
このほか、漬けあみ、干しあみ、なばのからせ漬(きのこのからし漬)などを添えることもある。あみは、豊前の海(周防灘)でとれる、ごくごく小さなえびのような形をしたもので、塩に漬けたり干したりして飯のつけ合わせにする。
飯は炊事場のそばにある板の間の内所で、箱膳で食べる。

写真:冬の朝ごはん
上:漬けあみ、白菜漬/下:麦飯、味噌汁(大根、にんじん)

 

出典: 波多野道義 他編. 日本の食生活全集 44巻『聞き書 大分の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.237-239

関連書籍詳細

日本の食生活全集44『聞き書 大分の食事』

波多野道義 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540920011
発行日: 1992/6
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

豊後・大分は、その名のとおり「豊の国」。県内各地には名物料理が目白押し。大分市の「ほうちょう」、豊後水道沿岸の「さつま」「かまぼこ」、竹田の頭料理、臼杵の黄飯、きらすま飯、日田盆地のがめ煮……。
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