聞き書 大分の食事 宇佐平野の食より
■朝ごはんと山行きの弁当づくりに忙しい朝
おっかさんは早起きをして、麦飯、味噌汁を炊き、百本漬(たくあん)や白菜漬を用意する。麦飯は、米に押し麦を混ぜ、毎朝一升の飯を鉄なべで薪を使ってくど(かまど)で炊く。味噌汁の実には大根、里芋、菜っぱ、ねぎ、揚げなどを入れる。
このほか、漬けあみ、干しあみ、なばのからせ漬(きのこのからし漬)などを添えることもある。あみは、豊前の海(周防灘)でとれる、ごくごく小さなえびのような形をしたもので、塩に漬けたり干したりして飯のつけ合わせにする。
飯は炊事場のそばにある板の間の内所で、箱膳で食べる。
写真:冬の朝ごはん
上:漬けあみ、白菜漬/下:麦飯、味噌汁(大根、にんじん)
出典: 波多野道義 他編. 日本の食生活全集 44巻『聞き書 大分の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.237-239