あわびとりの船上で食べるかつぎ弁当――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2024年06月05日

聞き書 徳島食事 阿南海岸(阿部)の食より

夏の小昼――冷やしそうめん、たちうおずしやあじの姿ずし
三時か四時ころ、かつぎを終えて海から上がってくると、やっとゆっくりと一日の休憩がとれる。熱いからだに冷やしたそうめんは、ほてりがとれてなんともおいしい。いりこでだしをとり、醤油にすだちをぎゅーっとしぼって、それに冷やしたそうめんをつけて食べる。ほっとする。ときには、にぎった酢飯に、酢じめのたちうおと紅しょうがをのせたたちうおのすしも食べる。たちうおは白身であっさりとしている。同様にあじの姿ずしもよくつくる。

写真:夏の小昼
あじの姿ずし、たちうおずし

 

出典:立石一 他編. 日本の食生活全集 36巻『聞き書 徳島の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.181-183

関連書籍詳細

日本の食生活全集36『聞き書 徳島の食事』

立石一 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540900075
発行日: 1990/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

祖谷そばにたらいうどん、いろりのそばで香りたつでこまわし。渦潮にもまれて育つ魚やわかめ。海・山のバラエティ豊かな暮らしと食を祭事とともに再現。藍商人の食事も再現。
田舎の本屋で購入

このカテゴリーの記事 - 日本の食生活全集
おすすめの記事