夏の風物詩、ところてん祭り――晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2024年08月07日

聞き書 新潟食事 頸城海岸の食より

夏の行事は、ほねつぎ、切替え祭りなど、やはり海にかかわる行事が多い。また、伝統的なお盆行事や秋祭りなど、独特な風習がある。
お盆
八月十三日にお墓まいりをする。仏壇には新こもを敷いて壇飾りをする。門徒宗(真宗)の壇飾りは非常にあっさりしていて、供えものも簡単であるが、禅宗の家では、壇にいろいろの野菜をにぎやかに飾る。お墓にもだんごや、あられ切りにしたなすやかぼちゃをはすの葉にのせて供え、おまいりする。
夕べの客膳料理の心入れは笹ずしである。それに冷やしそうめんに、きゅうりなますとおぼろ汁など、涼味を誘う献立でもてなす。

写真:お盆の夕食
上:冷やしそうめん、きゅうりなます/下:つゆ、おぼろ汁/膳外は笹ずし

 

出典:本間伸夫 他編. 日本の食生活全集 15巻『聞き書 新潟の食事』. 農山漁村文化協会, 1985, p.244-246

関連書籍詳細

日本の食生活全集15『聞き書 新潟の食事』

本間伸夫 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540850257
発行日: 1985/8
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 378頁

「炊く」「蒸す」「搗く」「こねる」「焼く」。お米をさまざまに味わい分けてきた新潟県内を六つの食文化圏に分けて、それぞれの地域の豊饒を語ってもらう。
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