漁が活気づいていおの菜がふえる──日常の食生活

連載日本の食生活全集

2024年08月29日

聞き書 高知食事 足摺海岸の食より

めじかの新子に下りがつおと新いも
岬の夏は長い。二百十日がすぎ、二十日が無事すぎても、暑さは去らない。台風の不安がなくなるころになって、やっと秋の気配が風に運ばれてくる。
旧盆すぎから釣れはじめるろうそくめじかは、新子と呼ばれ、太めのろうそくほどの丸さである。まだ脂のつかない若いおを背割りにして、塩きや干ものにするが、ゆでて生節にして、そのまま味噌の中でほぐして食べたり、抜き菜のあえもののだしとしても使う。

写真:めじかとかつおの沖煮

 

出典:松崎淳子 他編. 日本の食生活全集 39巻『聞き書 高知の食事』. 農山漁村文化協会, 1986, p.269-273

関連書籍詳細

日本の食生活全集39『聞き書 高知の食事』

松崎淳子 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540860256
発行日: 1986/6
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

酢料理は日本一、豪快な皿鉢料理など土佐の伝統食は南国の香りがいっぱい。その他、山の民俗の宝庫といわれる高知山間の土の香りのする料理の数々を紹介する。
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