そーみんぷっとぅるー

連載日本の食生活全集

2024年08月30日

聞き書 沖縄食事 那覇の食より


そうめんはゆでて水で流し、さっと塩をまぶして味つけをしておく。前もって塩をまぶすのは、そうめんをなべの中で焼きながら塩を入れると、一か所に固まって、むるさーむるさーになるので、それを防ぐためである。むるさーむるさーになるというのは、塩からいところと塩が全くついていないところと、むらができることである。
なべに豚脂を入れて熱してから、水を切ったそうめんを入れる。きざんだねぎを加えて、両手にはしを持って手早くかき混ぜる。豚脂にはだしがあるので、塩味だけでもおいしく仕あがる。たまには味の素を入れることもある。
簡単なので、客が来るとよくこれを出す。また、台風のときなどは何もないので、近くの雑貨店でそうめんを買ってきてつくって食べる。
台湾からくるビーフンでも、そーみんぷっとぅるーと同じようにつくる。

 

出典:尚弘子 他編. 日本の食生活全集 47巻『聞き書 沖縄の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.41-41

関連書籍詳細

日本の食生活全集47『聞き書 沖縄の食事』

尚弘子 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540880070
発行日: 1988/4
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 400頁

世界に冠たる長寿の島、沖縄の暮しの中の食を徹底的に紹介。豚肉、油脂をたっぷりとり入れた食事は本土と異なる。東南アジアにつらなる琉球弧の料理と調理法を写真とともに再現。
田舎の本屋で購入

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