一升漬

連載日本の食生活全集

2024年09月09日

聞き書 福島食事 阿武隈山地の食より


初秋にちその穂の実が入るのを見て、ちその実を手でしごきながらざるに収穫し、水洗いしてから塩漬けする。とうがらしは、青とうがらしを摘み、塩漬にしておく。初冬のころ米こうじをつくり、塩漬にしておいたちその実、青とうがらしを一昼夜、井戸水の流水で塩抜きし、ちその実一升、青とうがらし一升に、こうじ一升、醤油一升をはかり、かめに漬けこむ。ときには、なす、みょうがを細かく切り、青とうがらしと一緒にして一升とすることもある。
ときどきとり出して食べるとおいしく、食がすすみ、常備しておくおかずである。

写真:一升漬をつくる

 

出典:柏村サタ子 他編. 日本の食生活全集 7巻『聞き書 福島の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.268-268

関連書籍詳細

日本の食生活全集7『聞き書 福島の食事』

柏村サタ子 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540870972
発行日: 1987/12
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

にしん漬・三五八漬を肴に会津の酒を酌む。うにの貝焼、あんこう料理は浜通りの名物。豊富な食素材を伝統の生活知が生かす「みちのくのまほろば」福島ならではの味。
田舎の本屋で購入

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