聞き書 京都の食事 丹波平坦の食より
秋には台風にたびたび見舞われる。由良川沿いは、洪水の常襲地帯である。晩秋蚕の最盛期には、水つきの泥桑を持ち帰って、小川で洗って給桑することが多い。この桑で育った蚕は体や繭の色が土色を帯びて作柄に影響するので、みんなが天候には敏感になる。
夜――麦飯、塩ます、なます、味噌汁(里芋)、漬物。
写真:秋の夕食
上:塩ます、おこうこ、なます/下:麦飯、味噌汁(里芋)
出典:畑明美 他編. 日本の食生活全集 26巻『聞き書 京都の食事』. 農山漁村文化協会, 1985, p.197-197