ちまき、おさすり

連載日本の食生活全集

2020年05月04日

ちまき、おさすり

聞き書 三重の食事 紀伊山間の食より

端午の節句のお祝いのもち。ちまきは男の子を、おさすりは女の子を表わす。
川笹ととしめぐさを、川原でとって来る。米の粉を適量用意し、水を入れてこねる。ほんの一つまみ塩を入れ、手でにぎれるくらいの固さにする。茎がついたままの川笹の葉三枚に、人差し指ぐらいににぎったちまきを包み、その笹の葉がほどけないように、としめぐさでぐるぐる巻きにし、茎をつけたまませいろで蒸す。ちまきは味がついてないので、黒砂糖をつけたり、砂糖醤油をつけたりして食べる。川笹の香りがほのかについてうまい。
おさすりは、米のもちによもぎを搗きこみ、中に小豆のあんこを入れる。よもぎは摘みたての若芽をゆがき、水にさらし、細かくきざむ。米の粉を水でこね、せいろで蒸し、よもぎを搗きこむ。小判形に薄くのばし、中にあんこを入れ、合掌するようによもぎ入りの皮を合わせ、外側をえべついばら(さるとりいばら)の大きい葉っぱなら一枚で、小さなものなら二枚で巻き、もう一度せいろで蒸す。
人差し指のようなちまきと、はまぐりの貝のようなおさすりは、子どもが健やかに育つことを祈ってつくる。

関連書籍詳細

日本の食生活全集24『聞き書 三重の食事』

西村謙二 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540870019
発行日:1987/04
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 366頁

伊勢平野の世例祭、紀伊山間の山の神、伊賀のめし食い祭、志摩のお盆料理などの食べものをはじめ、伊勢神宮の神饌、お伊勢参りの食も紹介される。日常の食も豊富。
田舎の本屋で購入

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