ぼぶら飯

連載日本の食生活全集

2020年06月19日

聞き書 三重の食事 志摩海岸の食より

夏の晩飯は、ほとんどぼぶら飯を炊く。
ぼぶらの皮をむき、食べやすい大きさに切る。ぶんどやささげを釜に入れて、豆がやわらかくなるように煮る。豆の皮が割れかけてきたところで、ぼぶら七、米二、豆一の割合で混ぜ、塩一つまみを入れる。水加減は、材料がひたるかひたらないぐらいでよい。米のとれ高の少ない志摩では、よく豆を加えてごはんの量をふやす。
炊きあがると、ぼぶらの黄色が釜の中で目だつが、味をよくするために、押しつぶして混ぜてしまう。かゆのようにねっとりしたものを、茶わんに盛って食べる。甘い飯なので、漬物をおかずにして食べる。とれたぼぶらのほとんどは、ぼぶら飯に使う。

 

出典:西村謙二 他. 日本の食生活全集 24巻『聞き書 三重の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.251-251

関連書籍詳細

日本の食生活全集24『聞き書 三重の食事』

西村謙二 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540870019
発行日:1987/04
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 366頁

伊勢平野の世例祭、紀伊山間の山の神、伊賀のめし食い祭、志摩のお盆料理などの食べものをはじめ、伊勢神宮の神饌、お伊勢参りの食も紹介される。日常の食も豊富。
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