寒い夜は馬肉屋の「けっとばし」で一杯――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2021年02月04日

聞き書 東京の食事 深川左官職人の「食の歳時記」より

男たちは、寒い夜はよく森下の馬肉屋へ行く。この店は「みのや」という屋号であるが、土地の者はみな「けっとばし」と呼んでいる。
馬肉なべは赤味噌と割下(たれ)で、馬肉とねぎを煮て食べる。馬肉なべは安いし、からだが温まるといわれている。
馬肉はまた、馬刺しにしてもうまい。

写真:馬肉なべ(けっとばし)

 

出典:渡辺善次郎 他. 日本の食生活全集 13巻『聞き書 東京の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.16-18

関連書籍詳細

日本の食生活全集13『聞き書 東京の食事』

渡辺善次郎 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540870989
発行日:1988/02
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

昭和初期、巨大都市・東京人は何を食べ、どう暮らしていたか。下町と山の手、都市部と農村部に目配りしつつ、深川・本所・日本橋から世田谷・葛飾・大森・奥多摩・伊豆大島などでの四季折々の食事の世界を再現する。
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