聞き書 愛媛の食事 高縄山塊(鈍川)の食より
表皮の部分をとり除いて、柑の白い部分を適当な大きさのくし形に切って、半日ぐらいたっぷりの水に浸しておく。これで少しぐらいのあくはなくなるが、さらによくあくをとるため、ゆがく。つぎに白砂糖(平素のおかずやおやつに使うのは茶色のうぶ砂糖だが)をぜいたくに使ってこってりと砂糖煮にする。一個のあんせい柑に約一〇〇匁の砂糖を入れるので、そうとう甘い。
出典:森正史 他. 日本の食生活全集 38巻『聞き書 愛媛の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.288-288