山菜とたかな漬に春の香りを味わう―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2021年04月20日

聞き書 大分の食事 くじゅう高原の食より

■朝飯―とうきび飯、味噌汁、たかな漬
延享のころ(一七四〇年代)からとうきびを栽培していたこの地域では、一年中朝も昼も夜もとうきび飯である。
味噌汁は切干し大根とみつば、ときにはせりやみょうがだけを入れる。そろそろ、たくあんや白菜漬に飽きた食卓に、たかな漬を大きなこんこ鉢に山盛りに盛って出す。みつばやたかなの青々とした香りに春を感じる。

写真:春の朝飯
とうきび飯、味噌汁(里芋、たかな)、たかな漬

 

出典:波多野道義 他. 日本の食生活全集 44巻『聞き書 大分の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.155-156

関連書籍詳細

日本の食生活全集44『聞き書 大分の食事』

波多野道義 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540920011
発行日:1992/06
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

豊後・大分は、その名のとおり「豊の国」。県内各地には名物料理が目白押し。大分市の「ほうちょう」、豊後水道沿岸の「さつま」「かまぼこ」、竹田の頭料理、臼杵の黄飯、きらすま飯、日田盆地のがめ煮……。
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