馬肉と野菜の味噌炒めで疲れをいやす―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2021年04月21日

聞き書 宮崎の食事 都城盆地の食より

■夜―あわ飯、馬肉と野菜の味噌炒め、漬物
春は蚕や畑仕事など大変忙しい。朝早くから夜おそくまでの作業で、疲れもひどい。元気をつけるために、たまには肉を食べる。肉といっても馬肉がほとんどであるが、豚の脂身のせしからもよく使う。朝から計画しておいて、鶏をつぶして食べることもある。馬肉、せしから、かしわは、どれもたいてい大根などの根菜類と一緒に煮る。肉の煮えるにおいが食欲をそそり、明日の作業の力の源になる。
また、野菜の煮しめもよくつくる。志布志から売りに来るいわしやとびうお、あじなどの干しものやけずり節(かつお節をけずったもの)も貴重なおかずである。

写真:春の夕食
馬肉と野菜の味噌炒め(じゃかいも、大根、にんじん、たまねぎ)、高菜漬、あわ飯、たけのこの味噌汁

 

出典:田中熊雄 他. 日本の食生活全集 45巻『聞き書 宮崎の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.240-241

関連書籍詳細

日本の食生活全集45『聞き書 宮崎の食事』

田中熊雄 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540901010
発行日:1991/03
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

伝説に彩られた山深き里、古来「日向の国」と呼ばれた太陽の国・宮崎。焼き畑の村に、陽光そそぐ平野に、霧島のぞむシラスの台地に、黒磯洗う浜に、なつかしい食と暮らしをたずねた南国の食の記録。
田舎の本屋で購入

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