沖の菜には腐りにくいものをと心を砕く――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2024年07月24日

聞き書 大阪食事 和泉海岸の食より

昼飯――冷やしそうめん、かもうりとじゃこ
大漁で休みのない日が続くので、男衆はぐっすり睡眠をとる。そのあとには、あっさりした冷やしそうめんがなによりの食事である。だしは、とびあらで、頭と皮をむいて入れ、身はそのまま具にする。そうめんやだしは、井戸水で冷やすと冷たくてさらにおいしい。菜は、かもうり(とうがん)とじゃこである。これはじゃこのだしで煮て、醤油の味つけだけ。とびあらはいい値で売れるので、家のおかずにはじゃこを使うことが多いが、そうめんのときは自家用にとびあらをとっておいてそれを使う。

写真:夏の昼飯
冷やしそうめん(左)と、じゃこだしで炊いたかもうり

 

出典:上島幸子 他編. 日本の食生活全集 27巻『聞き書 大阪の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.299-301

関連書籍詳細

日本の食生活全集27『聞き書 大阪の食事』

上島幸子 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540900099
発行日: 1991/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 392頁

商人の町・大阪は、日本中の一流の物産が集まる「天下の台所」。船場、天満の商家、月給取り、近在の農家・漁家の食卓に、「食い倒れ」の真相を探る。写真を添えて料理を再現した食の歳時記。
田舎の本屋で購入

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