聞き書 大阪の食事 和泉海岸の食より
■昼飯――冷やしそうめん、かもうりとじゃこ
大漁で休みのない日が続くので、男衆はぐっすり睡眠をとる。そのあとには、あっさりした冷やしそうめんがなによりの食事である。だしは、とびあらで、頭と皮をむいて入れ、身はそのまま具にする。そうめんやだしは、井戸水で冷やすと冷たくてさらにおいしい。菜は、かもうり(とうがん)とじゃこである。これはじゃこのだしで煮て、醤油の味つけだけ。とびあらはいい値で売れるので、家のおかずにはじゃこを使うことが多いが、そうめんのときは自家用にとびあらをとっておいてそれを使う。
写真:夏の昼飯
冷やしそうめん(左)と、じゃこだしで炊いたかもうり
出典:上島幸子 他編. 日本の食生活全集 27巻『聞き書 大阪の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.299-301