お盆さまには折り目正しく3度の膳を供える――晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2024年07月19日

聞き書 埼玉食事 川越商家の食より

土用の丑の日
七月も下旬になると暑さもいよいよきびしさを増す。夏まけしないよう、土用の丑の日に家族、奉公人ともども、うなどんをとりよせて食べる。川越のうなぎ料理は江戸の昔から名高く、松江町の小川藤、小仙波の東屋はちょっとから口でごはんが多く、猪鼻町の小川菊や久保町の市野屋は甘口などと、それぞれ味に特徴があるので、そのときの家族の好みでとりよせる。いずれもどんぶりは安くて、ことのほか味がよい。

写真:うなどん

 

出典:深井隆一 他編. 日本の食生活全集 11巻『聞き書 埼玉の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.271-276

関連書籍詳細

日本の食生活全集11『聞き書 埼玉の食事』

深井隆一 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540910050
発行日: 1992/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

「あさまんじゅうに昼うどん」は物日におけるきまりもの。小麦、さつまいも、狭山茶、深谷ねぎ、岡部の大根など自慢の作物もいっぱい。街道のうまいもの、鋳物工場の給食まで収録。
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