あまぴちょ、菊のおひたし、けんちん汁―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2021年09月07日

聞き書 山形の食事 村山山間の食より

菜の年越しがすぎ、漬け菜や大根の収穫を終えて霜が降りるころ、漬物の季節を迎える。遠藤家では、屋敷の前の野菜洗い井戸で菜や大根を洗う。
洗い終わったものはそれぞれ干して、大根漬は二斗桶に、青菜漬は一俵桶(四斗桶)に、白菜漬は二斗桶にと漬けこんでいく。
朝―麦まま、あまぴちょ、みょうがのぬたあえ、きゅうり漬
稲刈りのころに食べられるようにつくるあまぴちょ(ひしお)は、冬用のより塩を甘くする。忙しい時分のごはんのお菜に便利なので、秋の農繁期用に一斗、冬用には六升ほどつくる。

写真:秋の朝飯
上:〔左から〕みょうがのぬたあえ、あまぴちょ/中:きゅうり漬/下:麦まま、なすのおづけ

 

出典:木村正太郎 他. 日本の食生活全集 6巻『聞き書 山形の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.75-76

関連書籍詳細

日本の食生活全集6『聞き書 山形の食事』

木村正太郎 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540880445
発行日:1988/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

山形の「母なる川」最上川が結ぶ置賜盆地、村山の平野と山間、県北の最上、庄内平野。暮らしの柱にある米と結びついた山と海の幸のすべてを紹介。加えて、羽黒山修験道の食、酒田海船問屋の食を再現。
田舎の本屋で購入

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