聞き書 滋賀の食事 鯖街道朽木谷の食より
■夕飯―栗ごはん、煮しめ、さばのなれずし、しば漬、おこうこ
りすたちと競ってひろった栗をごはんに混ぜてかさを上げる。甘い栗に子どもたちは何杯もおかわりをするが、いもごはんや大根飯のときは評判が悪い。
雨の日は、掘りたての大根、にんじん、ごぼう、小いもなどを大なべでぎょうさん煮ておく。田植え前に漬けたさばのなれずしや夏に漬けこんだしば漬も味がよくなり、毎日桶から出す。なれずしはぷんと鼻をつくにおいがするが、それがまた懐かしく、滋養もあるので子どもにも食べさせる。
写真:さばのなれずし
出典:橋本鉄男 他. 日本の食生活全集 25巻『聞き書 滋賀の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.276-277