鼻をつくにおいも懐かしいさばのなれずし―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2021年10月01日

聞き書 滋賀の食事 鯖街道朽木谷の食より

夕飯―栗ごはん、煮しめ、さばのなれずし、しば漬、おこうこ
りすたちと競ってひろった栗をごはんに混ぜてかさを上げる。甘い栗に子どもたちは何杯もおかわりをするが、いもごはんや大根飯のときは評判が悪い。
雨の日は、掘りたての大根、にんじん、ごぼう、小いもなどを大なべでぎょうさん煮ておく。田植え前に漬けたさばのなれずしや夏に漬けこんだしば漬も味がよくなり、毎日桶から出す。なれずしはぷんと鼻をつくにおいがするが、それがまた懐かしく、滋養もあるので子どもにも食べさせる。

写真:さばのなれずし

 

出典:橋本鉄男 他. 日本の食生活全集 25巻『聞き書 滋賀の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.276-277

関連書籍詳細

日本の食生活全集25『聞き書 滋賀の食事』

橋本鉄男 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540910012
発行日:1991/6
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

日本最大の湖・琵琶湖には鯉・鮒・もろこなど淡水魚があふれる。ふなずしをはじめ、滋賀県特有の湖魚の食べ方をもらさず紹介。また、近江商人発祥の地に残る本宅(店に対する自宅)の食生活など話題がいっぱい。
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