こわもち

連載日本の食生活全集

2022年01月31日

聞き書 滋賀の食事 琵琶湖沖島の食より

もち米ばかりだともったいないといっては、冬の間にもち類が少なくなるとこわもちをつくる。
もち米とうるち米を半々の割合で五、六升にし、一晩水につけておく。このとき、塩ひとにぎり入れておく。水切りして蒸し、臼で搗く。大豆やこんぶを入れる家もある。大豆は、米を蒸すときに一緒に入れる。大豆やこんぶを入れるとおいしいが、固くなるので年寄りはいやがる。
搗きあがったら、二臼分のこわもちを、一つのお重(縦一尺三寸、横二尺六寸くらいの四角い入れもの)にまん中で仕切りをして流し入れる。固くなってきたら四つに切り、さらに薄く切って網で焼き、砂糖醤油をつけたり、黒砂糖を包んだりしてお茶の子として食べる。

写真:冬のこびり茶
皿:〔左から〕小米だんご、こわもち/鉢:さとまめ

 

出典:橋本鉄男 他編. 日本の食生活全集 25巻『聞き書 滋賀の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.41-42

関連書籍詳細

日本の食生活全集25『聞き書 滋賀の食事』

橋本鉄男 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540910012
発行日:1991/6
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

日本最大の湖・琵琶湖には鯉・鮒・もろこなど淡水魚があふれる。ふなずしをはじめ、滋賀県特有の湖魚の食べ方をもらさず紹介。また、近江商人発祥の地に残る本宅(店に対する自宅)の食生活など話題がいっぱい。
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