このしろの姿ずし

連載日本の食生活全集

2022年12月27日

聞き書  熊本の食事 県南の食より


このしろは背開きにして中骨、腹骨をとり、塩漬にして一晩おき、これをしばらく酢につけてしめしておく。少し塩味のきいたすし飯にしょうがやゆずの皮のみじん切りを混ぜると香りがよい。このしろの腹の部分にすし飯を詰め、頭と尾をたてて器に盛る。お正月や祝いごとにはなくてはならない料理である。
翌日、固くなったおすしは、ちょっと火にあぶると、魚のくさみがとれて香ばしくなり、違った味を楽しめる。

 

出典:小林研三 他編. 日本の食生活全集 43巻『聞き書 熊本の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.253-254

関連書籍詳細

日本の食生活全集43『聞き書 熊本の食事』

小林研三 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540870316
発行日:1987/8
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 368頁

阿蘇は野焼きでよみがえり、萌え出る山菜や若草は人と牛の生命を育む。急流球磨川の水と豊かな米は生活の酒・焼酎を生んだ。天草の海にはさけんばかりの魚。豊かな肥後。
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