聞き書 山梨の食事 富士川流域の食より
■夕飯――おだら、汁、てんぷら、どぶ漬
ちょっと早めに台所に入ったときは、夏ばて防止の意味で冷やっこいおだら(のしこみより細めに切っためん。冷やむぎ)をつくる。野菜がいっぱい入るのしこみの倍も小麦粉がいるので損だが、濃いめの澄まし汁に入れて食べる。歯ざわりがしこしこしてうまいので、いくらでも食べられる。おごっそう(ごちそう)である。
写真:夏の夕飯
上:〔左から時計回りに〕なすときゅうりのどぶ漬、野菜のてんぷら、薬味(ねぎ、みょうが)、つけ汁。どんぶりは冷やっこいおだら
出典:福島義明 他編. 日本の食生活全集 19巻『聞き書 山梨の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.140-141