聞き書 高知の食事 四万十川流域の食より
これはあいの最もぜいたくな食べ方で、神祭や正月には欠かせない。
焼きあいを串から形がくずれないようにはずし、ひたひたの水で半日ぐらいかけてとろ火で煮る。やわらかくなったら、醤油、砂糖、酒で味をつけ、薄く切ったしょうがを加えて汁がなくなるまでゆっくり煮る。
あめ炊きは「いられ(せっかち者)に炊かすな」という。じっくり時間をかけてつくるほどうまくできる。
これを、鉢に盛った冷たいそうめんの上に並べ、その上から煮汁をかけたあいのそうめんは、夏のお客(酒宴)料理につくられる。
写真:焼きあいのそうめん
焼きあいを煮て、冷たいそうめんの上に並べ、煮汁をかけて食べる。
出典:松崎淳子 他編. 日本の食生活全集 39巻『聞き書 高知の食事』. 農山漁村文化協会, 1986, p.184-184