味のいい秋なす、里芋、どじょうで食もすすむ――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2023年10月17日

聞き書 千葉食事 利根川流域の食より

朝飯――麦飯、なすのおし、雑魚のつくだ煮、なすの塩漬
大豆引きや稲刈りの準備のほか、道のふちや河川敷の草をかつげるぶんだけ刈るので、朝飯前の仕事がふえる。稲刈りは重労働なので、朝飯はしっかり食べる。このころになると、なすは秋なすといって実がしまり、おいしくなる。漬物にするほか、しぎ焼きをよくつくる。おかずはみよからすくいとってきた雑魚のつくだ煮や小ぶなの甘露煮である。

写真:秋の朝飯
味のよい秋なすのおしと塩漬、雑魚のつくだ煮を添えて。

 

出典:高橋在久 他編. 日本の食生活全集 12巻『聞き書 千葉の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.295-295

関連書籍詳細

日本の食生活全集12『聞き書 千葉の食事』

高橋在久 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540890024
発行日:1989/6
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

黒潮が打ち寄せる房総半島は日本でも屈指の好漁場。いわし・かつおに代表される海の幸と利根川の魚、台地の作物が食膳にのぼる。太巻ずしはこの地の伝統食。女性が築いた食の営みを記録する。
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