浪曲や村芝居で楽しむ秋祭り――晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2023年10月16日

聞き書 神奈川食事 足柄山間の食より

秋祭り(十月十五日)
山梨県から神官が来て、須賀神社の境内で火渡りをする。村で万歳師や浪曲師を一泊させて一年中の笑いが吹き出すような一夜をすごすこともあれば、村芝居の一座を招くこともある。
女たちは前もって豆腐やこんにゃくをつくり、そばを打ち、保存しておいた川魚でつくだ煮をこしらえ、酒の用意もするのでほんとうに忙しい。お祭りだからこそ炊く白いごはんにはきんぴらが合うので、ごぼうは早掘りしてきてたくさん使う。

写真:村芝居を見にゆくときの弁当
麦飯、煮もの(凍み豆腐、しいたけ、にんじん、ごぼう、里芋など)、塩ます、たくあん

 

出典:遠藤登 他編. 日本の食生活全集 14巻『聞き書 神奈川の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.230-230

関連書籍詳細

日本の食生活全集14『聞き書 神奈川の食事』

遠藤登 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540920028
発行日:1992/7
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

和洋中が勢揃いの横浜のハイカラ料理、古都鎌倉の伝統食から、相模野の恵み、山・川・海の幸を集めた県内各地の素朴な郷土料理まで、地元のお年寄りからの聞き書きをもとに再現。写真つきで記録。
田舎の本屋で購入

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