聞き書 愛知の食事 名古屋の四季と食事より
■夜食――熱いきしめんや、しのだどんぶり
夜食を食べないと、寒い夜業には力が入らない。生のきしめんやうどんをゆでて、どんぶりに入れ、熱い煮干しのだしを加え、たまりをめいめい落として味をつける。上にゆでた正月菜(こまつなの一種で、もち菜ともいう)と、ふわふわのかつお節(花かつお)をのせて、七味をふりかける。たまには奮発して油揚げものせる。
ときには、油揚げとねぎを甘からく煮た具を麦飯にようけ(たくさん)のせた、しのだどんぶりもつくる。
写真:夜食のきしめん
油揚げ、正月菜、かつお節をのせて。
出典: 星永俊 他編. 日本の食生活全集 23巻『聞き書 愛知の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.19-20