冬は熱い魚汁や茶がゆを食べる――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2024年01月31日

聞き書 島根食事 隠岐の島の食より

山行き、海行きの弁当――はば飯、切干し大根のはりはり漬、塩干しかれい、甘味噌
岩のり摘みやおどろとりに遠くの山に出かけるときは、麦飯の熱いうちに、はばをあぶってもみほぐし、醤油をかけて味つけしたものを混ぜる。これをめつ(弁当箱)に入れたり、大きくつぐねて(にぎって)竹の皮に包んだりして、背負いかごに入れて持って行く。
めのはと切干し大根のはりはり漬は、切干し大根を水にさっともどして水分を切り、めのはやすりごまを合わせて醤油と酢で味つけしたもの。しょうがをすりおろして入れるとなおおいしい。

写真:冬の山行き、海行きの弁当
上:焼いた塩干しかれい、甘味噌/下:はば飯のにぎり、めのはと切干し大根のはりはり漬

 

出典:島田成矩 他編. 日本の食生活全集 32巻『聞き書 島根の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.267-269

関連書籍詳細

日本の食生活全集32『聞き書 島根の食事』

島田成矩 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540910029
発行日:1991/07
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

旧暦十月の神無月も出雲では「神有月」。全国から集まる神々をもてなす心が食生活の中にいまも息づく。汽水湖・宍道湖・中海の豊かな魚介、米どころ出雲平野、豪雪の山間、隠岐まで郷土の食を網羅。
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