聞き書 島根の食事 隠岐の島の食より
■山行き、海行きの弁当――はば飯、切干し大根のはりはり漬、塩干しかれい、甘味噌
岩のり摘みやおどろとりに遠くの山に出かけるときは、麦飯の熱いうちに、はばをあぶってもみほぐし、醤油をかけて味つけしたものを混ぜる。これをめつ(弁当箱)に入れたり、大きくつぐねて(にぎって)竹の皮に包んだりして、背負いかごに入れて持って行く。
めのはと切干し大根のはりはり漬は、切干し大根を水にさっともどして水分を切り、めのはやすりごまを合わせて醤油と酢で味つけしたもの。しょうがをすりおろして入れるとなおおいしい。
写真:冬の山行き、海行きの弁当
上:焼いた塩干しかれい、甘味噌/下:はば飯のにぎり、めのはと切干し大根のはりはり漬
出典:島田成矩 他編. 日本の食生活全集 32巻『聞き書 島根の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.267-269