冬につくっておいた保存食が大活躍――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2024年03月18日

聞き書 奈良食事 奈良盆地の食より

昼飯――麦飯、せん切りとこいもの煮もの、だんご入り味噌汁、こうこ
冬の間につくっておいたせん切り(切干し大根)が便利である。朝の出かけに水につけておくとすぐに煮え、忙しいときにとても助かる。だんご入り味噌汁は、煮あがった味噌汁の中へ、水で溶いた小麦粉を落としていく。とろりとやわらかく溶くと、のどの通りがとてもよい。

写真:春の昼飯
上:せん切りとこいもの煮もの、こうこ/下:麦飯、だんご入り味噌汁

 

出典: 藤本幸平 他編. 日本の食生活全集 29巻『聞き書 奈良の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.21-22

関連書籍詳細

日本の食生活全集29『聞き書 奈良の食事』

藤本幸平 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540920035
発行日: 1992/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 376頁

青丹よしといわれた奈良の都、法隆寺を仰ぐ斑鳩の里から山深い吉野・十津川郷まで、その歴史・民俗・食べ物を古老からの聞き書きと写真で記録。東大寺の結解(けっけ)料理など、各地の寺社料理も紹介。
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