聞き書 岐阜の食事 南濃輪中の食より
■夕――麦飯、しじみ汁、なすの味噌あえ、きゅうりの酢もみ、たくあん
昼寝から目覚めて田に出たあとも長い。あちらこちらの田を回って家に帰るのは八時近くである。そんな日は食事の準備もそこそこに、残りもので夕食をすませてしまうこともあるが、たまに早く帰ってくると、なすや千石豆(ふじ豆)の味噌あえ、かぼちゃの煮もの、ささげのおひたし、きゅうりの酢もみなど、季節の野菜を料理する。手に入れば、しじみの澄まし汁なども食膳に上る。
写真:夏の夕食
上:きゅうりの酢もみ、なすの味噌あえ/中:たくあん/下:麦飯、しじみの澄まし汁
出典:森基子 他編. 日本の食生活全集 21巻『聞き書 岐阜の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.277-279