朝鮮漬にしょうがきざんで食欲増進――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2024年06月04日

聞き書 宮崎食事 延岡の食より

朝――麦飯、じゃがいもの味噌汁、朝鮮漬
暑くなっても、毎朝熱い味噌汁をつくる。味噌は、味噌こしでこしたあと、さらにすり鉢ですって使うので、ほんのかすしか残らない。春じゃがに青ものをとりあわせた実が続く。たまには切干し大根をもどして使う。
夏の漬物といったら朝鮮漬である。塩漬大根を干して半年ほどかめやつぼにねかせておいた漬物で、梅雨明けころには、色も香りも固さもほどよくなっている。これを細かくきざんでしょうがを混ぜれば、暑いときでも食がすすむ。

写真:夏の朝食
膳内:麦飯、味噌汁(じゃがいも、なす、ねぎ)、朝鮮漬/膳外:朝鮮漬

 

出典:田中熊雄 他編. 日本の食生活全集 45巻『聞き書 宮崎の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.66-67

関連書籍詳細

日本の食生活全集45『聞き書 宮崎の食事』

田中熊雄 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540901010
発行日: 1991/3
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

伝説に彩られた山深き里、古来「日向の国」と呼ばれた太陽の国・宮崎。焼き畑の村に、陽光そそぐ平野に、霧島のぞむシラスの台地に、黒磯洗う浜に、なつかしい食と暮らしをたずねた南国の食の記録。
田舎の本屋で購入

このカテゴリーの記事 - 日本の食生活全集
おすすめの記事