聞き書 徳島の食事 阿南海岸(阿部)の食より
■夏の小昼――冷やしそうめん、たちうおずしやあじの姿ずし
三時か四時ころ、かつぎを終えて海から上がってくると、やっとゆっくりと一日の休憩がとれる。熱いからだに冷やしたそうめんは、ほてりがとれてなんともおいしい。いりこでだしをとり、醤油にすだちをぎゅーっとしぼって、それに冷やしたそうめんをつけて食べる。ほっとする。ときには、にぎった酢飯に、酢じめのたちうおと紅しょうがをのせたたちうおのすしも食べる。たちうおは白身であっさりとしている。同様にあじの姿ずしもよくつくる。
写真:夏の小昼
あじの姿ずし、たちうおずし
出典:立石一 他編. 日本の食生活全集 36巻『聞き書 徳島の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.181-183