暑い盛りは冷やむぎでさっぱりと――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2024年07月05日

聞き書 長野食事 諏訪盆地の食より

夕――冷やむぎ、わかさぎのかき揚げ、粕もみ
暑いときや食欲のないときは、のどごしのよい冷やむぎがなによりのごちそうである。麦の少ないこの地方では、粉ものは貴重なので、冷やむぎは汁もののおかず風に食べる。したがって、ごはんも一緒に出したりする。夏ばてしないよう、たまには、わかさぎのかき揚げやうなぎの煮つけ、しじみの酢味噌あえ、ふなの煮つけなど、湖水の魚貝類を添えて食べる。

写真:夏の夕食
上:わかさぎちのかき揚げ、きゅうりの粕もみ/下:冷やむぎ、にらを入れためんつゆ

 

出典:向山雅重 他編. 日本の食生活全集 20巻『聞き書 長野の食事』. 農山漁村文化協会, 1986, p.147-148

関連書籍詳細

日本の食生活全集20『聞き書 長野の食事』

向山雅重 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540860768
発行日: 1986/12
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

十州に境を連ねる信州の山と川、四つの平の恵みを生かしきる女の技を収録。木曽のすんき漬、東信の野沢菜漬、中信の稲扱菜など、特徴ある野菜がいっぱい。海こそなけれよろず足らわぬことなき暮らしと食を聞書きする。
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