聞き書 長野の食事 諏訪盆地の食より
■夕――冷やむぎ、わかさぎのかき揚げ、粕もみ
暑いときや食欲のないときは、のどごしのよい冷やむぎがなによりのごちそうである。麦の少ないこの地方では、粉ものは貴重なので、冷やむぎは汁もののおかず風に食べる。したがって、ごはんも一緒に出したりする。夏ばてしないよう、たまには、わかさぎのかき揚げやうなぎの煮つけ、しじみの酢味噌あえ、ふなの煮つけなど、湖水の魚貝類を添えて食べる。
写真:夏の夕食
上:わかさぎちのかき揚げ、きゅうりの粕もみ/下:冷やむぎ、にらを入れためんつゆ
出典:向山雅重 他編. 日本の食生活全集 20巻『聞き書 長野の食事』. 農山漁村文化協会, 1986, p.147-148