冷ややっこで暑さしのぎ――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2024年06月26日

聞き書 福井食事 若狭中山間の食より

昼――麦飯、朝の残りのおつけ、焼きなんば、いわしのへしこ、どぼ漬
麦飯、それにおつけは、朝こしらえたなすと豆腐の味噌汁。なんばは、中に味噌を少し入れて焼いて食べることもある。いわしのへしこは、いわしのぬか漬のことで、ぬかをつけたまま焼いて食べる。どぼ漬はきゅうりになすで、さっと漬かったところがおいしい。
田植えやその他の仕事でいいをしたときの昼食は、お互いさまということで、それぞれ家にもどって食べるが、家から出ている姉、妹などは別である。

写真:夏の昼食
上:〔左から〕焼きなんば、いわしのへしこ/中:どぼ漬/下:麦飯、朝の残りのおつけ

 

出典:小林一男 他編. 日本の食生活全集 18巻『聞き書 福井の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.224-226

関連書籍詳細

日本の食生活全集18『聞き書 福井の食事』

小林一男 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540870187
発行日: 1987/6
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

木の芽峠を境に嶺南と嶺北に分かれる福井県は越前と若狭の二国から成る。報恩講を開いては食を共にして絆を深めあう越前、海の幸と山の幸がともに食膳にのぼる若狭の国。
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