聞き書 愛知の食事 名古屋の四季と食事より
■夜――ひやむぎ、はえの煮もの、麩ときゅうりの酢のもの、なすのしげ焼き
ひやむぎは毎日のように食べる。つゆはこぶとけずり節でだしをとり、味の素を少々入れておいしくし、冷やしておく。ひやむぎも割り氷を入れて食べる。
きゅうりの薄切りに、砂糖と酢を合わせたものを混ぜ、しょうが、しその葉も細く切って混ぜる。麩を水にひたし、しぼって入れると、麩が汁を全部吸いこみ、いい味となる。
夏は疲れやすいので、ときどきうなぎを買い、長焼き(かば焼き)にして体力をつけるために食べる。
写真:夏の夕食
なすのしげ焼き、麸ときゅうりの酢のもの、はえの煮もの、うりの粕漬となすのぬか漬、ひやむぎ、つゆと薬味
出典:星永俊 他編. 日本の食生活全集 23巻『聞き書 愛知の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.35-36