そうめんや冷やし汁であっさりと――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2024年08月20日

聞き書 宮崎食事 霧島北麓の食より

夕――冷やし汁の丸麦飯、煮つけ、大根や高菜の味噌漬
冷やし汁をつくるときは、丸麦の麦飯を炊く。丸麦は一晩水につけておき、米に混ぜて炊く。米と丸麦を半々にして、ふつうに炊く。
冷やし汁は、ざこだしに干ししいたけのもどしたものを入れて煮て、味噌で味をつける。麦飯を飯わんにつぎ、冷やし汁を上からかけ、酢みかん(ゆず)の皮を細かく切って上にかける。暑い盛りに、汗を流して働いたあとに食べると、生きかえるような気がする。
暑さと重労働で疲れてきたなと思ったら、ときには鶏をつぶして食べる。骨つき鶏肉やこんにゃく、ごぼう、干したけんこ、里芋、大根、にんじんなど、たっぷりの材料で煮つけをつくる。

写真:夏の夕食
冷やし汁の丸麦飯、煮つけ、味噌漬

 

出典:田中熊雄 他編. 日本の食生活全集 45巻『聞き書 宮崎の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.211-212

関連書籍詳細

日本の食生活全集45『聞き書 宮崎の食事』

田中熊雄 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540901010
発行日: 1991/3
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

伝説に彩られた山深き里、古来「日向の国」と呼ばれた太陽の国・宮崎。焼き畑の村に、陽光そそぐ平野に、霧島のぞむシラスの台地に、黒磯洗う浜に、なつかしい食と暮らしをたずねた南国の食の記録。
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