聞き書 宮崎の食事 霧島北麓の食より
■夕――冷やし汁の丸麦飯、煮つけ、大根や高菜の味噌漬
冷やし汁をつくるときは、丸麦の麦飯を炊く。丸麦は一晩水につけておき、米に混ぜて炊く。米と丸麦を半々にして、ふつうに炊く。
冷やし汁は、ざこだしに干ししいたけのもどしたものを入れて煮て、味噌で味をつける。麦飯を飯わんにつぎ、冷やし汁を上からかけ、酢みかん(ゆず)の皮を細かく切って上にかける。暑い盛りに、汗を流して働いたあとに食べると、生きかえるような気がする。
暑さと重労働で疲れてきたなと思ったら、ときには鶏をつぶして食べる。骨つき鶏肉やこんにゃく、ごぼう、干したけんこ、里芋、大根、にんじんなど、たっぷりの材料で煮つけをつくる。
写真:夏の夕食
冷やし汁の丸麦飯、煮つけ、味噌漬
出典:田中熊雄 他編. 日本の食生活全集 45巻『聞き書 宮崎の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.211-212