聞き書 新潟の食事 頸城海岸の食より
夏の行事は、ほねつぎ、切替え祭りなど、やはり海にかかわる行事が多い。また、伝統的なお盆行事や秋祭りなど、独特な風習がある。
■お盆
八月十三日にお墓まいりをする。仏壇には新こもを敷いて壇飾りをする。門徒宗(真宗)の壇飾りは非常にあっさりしていて、供えものも簡単であるが、禅宗の家では、壇にいろいろの野菜をにぎやかに飾る。お墓にもだんごや、あられ切りにしたなすやかぼちゃをはすの葉にのせて供え、おまいりする。
夕べの客膳料理の心入れは笹ずしである。それに冷やしそうめんに、きゅうりなますとおぼろ汁など、涼味を誘う献立でもてなす。
写真:お盆の夕食
上:冷やしそうめん、きゅうりなます/下:つゆ、おぼろ汁/膳外は笹ずし
出典:本間伸夫 他編. 日本の食生活全集 15巻『聞き書 新潟の食事』. 農山漁村文化協会, 1985, p.244-246