聞き書 沖縄の食事 那覇の食より
そうめんはゆでて水で流し、さっと塩をまぶして味つけをしておく。前もって塩をまぶすのは、そうめんをなべの中で焼きながら塩を入れると、一か所に固まって、むるさーむるさーになるので、それを防ぐためである。むるさーむるさーになるというのは、塩からいところと塩が全くついていないところと、むらができることである。
なべに豚脂を入れて熱してから、水を切ったそうめんを入れる。きざんだねぎを加えて、両手にはしを持って手早くかき混ぜる。豚脂にはだしがあるので、塩味だけでもおいしく仕あがる。たまには味の素を入れることもある。
簡単なので、客が来るとよくこれを出す。また、台風のときなどは何もないので、近くの雑貨店でそうめんを買ってきてつくって食べる。
台湾からくるビーフンでも、そーみんぷっとぅるーと同じようにつくる。
出典:尚弘子 他編. 日本の食生活全集 47巻『聞き書 沖縄の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.41-41