聞き書 滋賀の食事 鯖街道朽木谷の食より
春祭りのごちそうの一つとして喜ばれる。
そうめん一〇把をゆがき、さっと水洗いしてざるにとる。なべに醤油、砂糖、水を煮たて、竹の皮を敷いて焼きさばを煮る。さばに味がつき、煮汁にもうまみが移ると火を止め、竹の皮ごとさばをとり出し、その汁にそうめんをからませる。一時間もすると味がしみるので、大皿に焼きさばとそうめんを盛り合わす。
さばがあっさりしているのでたくさん食べられる。あゆでもつくるが、焼きさばの味を思うと何かもの足りない。
出典:橋本鉄男 他. 日本の食生活全集 25巻『聞き書 滋賀の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.295-295