聞き書 福岡の食事 豊前山間の食より
■氏神さまの秋祭り
村中で一番楽しい秋祭りで、十月十四日と十五日に行なわれる。秋の収穫の見込みも立ち、豊作感謝の祭りでもある。
十五日は神社の拝殿で奉納神楽があり、祭り気分も最高になる。遠くからの来客もあり、祭り料理は盛大につくる。祭りもち、赤飯、すし(巻きずし、ちらしずし、きつねずし)、酢もの、魚の刺身、魚の煮つけ、吸いもの、煮しめ、漬物などを出す。家によっては、ちりを食べたり、甘酒を飲んだりして、来年もまた楽しい秋祭りが来ますようにと願う。
写真:秋祭りのごちそう
すし、豆腐汁、煮しめ(こんぶ、たけのこ、にんじん、里芋、こんにゃく、ふき、わらび、ごぼう)、味噌漬
出典:中村正夫 他編. 日本の食生活全集 40巻『聞き書 福岡の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.279-279