運動会や秋祭りには、さまざまなすし──晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2024年10月21日

聞き書 福岡食事 豊前山間の食より

氏神さまの秋祭り
村中で一番楽しい秋祭りで、十月十四日と十五日に行なわれる。秋の収穫の見込みも立ち、豊作感謝の祭りでもある。
十五日は神社の拝殿で奉納神楽があり、祭り気分も最高になる。遠くからの来客もあり、祭り料理は盛大につくる。祭りもち、赤飯、すし(巻きずし、ちらしずし、きつねずし)、酢もの、魚の刺身、魚の煮つけ、吸いもの、煮しめ、漬物などを出す。家によっては、ちりを食べたり、甘酒を飲んだりして、来年もまた楽しい秋祭りが来ますようにと願う。

写真:秋祭りのごちそう
すし、豆腐汁、煮しめ(こんぶ、たけのこ、にんじん、里芋、こんにゃく、ふき、わらび、ごぼう)、味噌漬

 

出典:中村正夫 他編. 日本の食生活全集 40巻『聞き書 福岡の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.279-279

関連書籍詳細

日本の食生活全集40『聞き書 福岡の食事』

中村正夫 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540860775
発行日: 1987/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

玄界灘・有明海・周防灘の三つの海と、筑後川・遠賀川などの豊かな水にうるおう古代国家発祥の地・福岡の食は、ロマンと豊饒、篤き信仰心と伝統に育まれている。
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