聞き書 千葉の食事 東京湾奥の食より
あなごは四月から十一月にとれる。あなごは、死んでも問屋が引きとってくれるので、食べる機会は少ないが、売れ残ったときには漁師の家族のごちそうとなる。
塩でぬめりを洗い落とし、頭を切り、切り口から、わたをつまみ出して水洗いする。一尾を二つか三つに筒切りにし、砂糖と醤油をきかせて、しっかりと味をつける。
煮汁は次の日に煮こごりとして食べるが、これがまたおいしい。
出典:高橋在久 他. 日本の食生活全集 12巻『聞き書 千葉の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.158-158